ポール・ギャリコの「雪のひとひら」は、雪の結晶をまとった祈る少女の表紙が可憐で買った1冊。
何冊も出版されている中、この表紙が1番ストーリーに近いかな。
ひとひらの雪を女性の一生に見立てて、空から舞い降りて海で終える一生、あっという間に読めてしまうようなとても短い小説です。
美しい日本語がちりばめられた、1ページ1ページが宝物のような本。
原作も美しい言葉で書かれているのでしょうけど、翻訳された言葉がまたすばらしい。
ふと冬らしい本が読みたくなったことでこの本に出合ったのは、きっと必要なタイミングだったのでしょう。
温かいココアを飲みながらこの本を読んだら体だけでなく心まで温かくなれそう。
連日のように深刻な雪の被害を聞いていると、雪深い地方の人にとっては雪がうらめしいことと思います。
それでもこの本を読むとまた違う考えも・・・。
ひとひらの雪にも使命と生まれてきた意味がちゃんとあって、少しでもその一生が長くなったらいいな、こんなに雪を降らせるのはどんな意味があるのかしら、と。
生きることや大切な人がいてみんなが元気でいられることは、小さくて当たり前のようで実はとてもしあわせだということに気づかせてくれます。
ひとひらの雪のように、終わりの瞬間に生まれてきた意味や自分の一生がしあわせなものだったと思えるように、ううん、できれば常にそのしあわせをかみしめて感謝を忘れずにいたいもの。