朝はバタバタしがち。
それでもいい仕事をするためにも、1日を有効に使うためにも朝の時間は大切にしたい。
桜木町駅前の「横浜ブルグ13」は朝8時台から映画を観ることができます。
朝一の映画は観客もまばら。人がすっぽり入ってしまうほどの大きさのシートは後ろの方に座ると視界に人が入らないため、まるで自分専用のホームシアターで観ているよう。なかなか贅沢です。
昨日観たのは「グランド フィナーレ」。
スイスの美しい自然を舞台にした映画は1日のスタートにぴったり。
イタリア人監督らしからぬ、イギリスやアメリカの俳優ばかりだったりしますが、その誰もがさすがの演技です。あ、でも唐突に「エロ」が出てくるのはイタリア人監督ならではかも(笑)。
それにしても原題の「YOUTH」に対して「グランド フィナーレ」って、邦題にはいつもながら驚かされます。
確かに主人公は著名な音楽家で、ラストシーンではエリザベス女王の前で自身の代表作「Simple Song」を指揮するけど、映画全体のテーマは老いることへの焦りだったり、かつて自分が手に入れた名声が邪魔をすることだったり、音楽が出てくるのはごく一部。
これまた一瞬登場するこちらのシーンがポスターになるのは、これこそこの映画が意図することなのかも。
「YOUTH=若さ」だから。
確かにこのミスユニバースは美しかったけど、他の素晴らしい俳優たちを抜きにしてしまう⁉︎、って感じ。
私の好きなポスターはこちら。
映像美で知られる監督だけに、シーン一つ一つが本当に美しく、心地よい映画です。
中でも一番気に入ったのは、森を抜けたところの牧草地で主人公が木の切り株に座り、カウベルを鳴らす牛たち、さえずる鳥たち相手に指揮棒を振るシーン。
美しいホールでのオーケストラももちろん素敵、でも大自然の中で動物たちの奏でるハーモニーはぜひ生で聴いてみたい!
脂の乗った現役の音楽家でなく、引退した音楽家だからこそのシーンかもしれません。
決してハッピーエンドという訳にはいかないけれど、それでも前に進む、というラストシーンの余韻に浸りながら1日を過ごせるのもなかなかでした。