見逃したくなかった「Paris オートクチュール 世界に一つだけの服」展。
5月22日の最終日までに行けそうなのは今日だけ。
ほんとは腰にかなりの疲労がたまっていたし、取り寄せてもらったお花を花材屋さんに取りに行かなくちゃいけなかったりするけど、これだけは見逃せない。
丸の内の三菱一号館美術館。
日本でParisのオートクチュール展を開催するならやっぱりここしかないでしょ。
今回の目的は何と言っても
バレンシアガのこのドレス。
昔、雑誌で見かけて切り抜きをしていたほど。実物を改めて見ると、シルクタフタの面とオーストリッチのバランス、動くとオーストリッチに付けたシルクの花が舞うところ、何をしていてもエレガントに見えるドレスです。
バレンシアガはお針子さんだった母の元で自分も作っていた経験を持つ、稀有な存在。
それを聞いて納得したのが、構築的ながら無理のないラインが特徴だということ。クチュリエとしての知識と技術が無ければ難しいというのは、洋服作りを習っている今だからこそ理解できます。
もうひとつは
イヴ・サンローランのイブニングドレス。
前から見る印象と背後から見る印象が全く違い、また黒が漆黒で湿度を感じるせいか、よりいっそうセクシーに見えます。でも決して下品ではなく。この2点は今でも十分通用しますね。
私の中では普遍的なデザインができる、別格な2人。
この美術館が好きなのは館内の雰囲気。
特に展示室を移動するとき、窓から見える中庭の景色はついつい撮ってしまいます。
日本じゃないみたい!
さて、オートクチュール展に戻ります。
中には写真OKの展示室もあって、こちらは比較的最近のドレスが中心でした。
たくさんの美しいドレスが並ぶ中、やっぱり惹かれるのは華やかな装飾よりもカッティングだったり、ラインがきれいなドレスです。これは多分ずっと変わらないはず。
最後の展示室が実は一番素敵だと思ったのが、クチュリエたちにスポットを当てていたこと。
お針子さんたちの仕立てている手、生地を裁断する手、中にはシャネルの手まで、作り手の手を撮った写真が並びます。
ファストファッション全盛の今だからこそ、丁寧に作られドレスの価値を実感できた気がします。