主演の草薙剛氏のアカデミー賞主演男優賞受賞でリバイバル上映されている『ミッドナイトスワン』。
最初の上映の時は新宿まで行って観ることをためらって見逃しましたが、みなとみらいで観るなら・・・。あんまり変わらないかもしれませんが、気持ち、気持ち。
いや〜、良かったです。
LGBT、ネグレクト、彼らに非は無くともなかなかスポットが当たらない人たちが主役。
夢を持ちたいけど持てない、諦めの中に一瞬の期待を込めて一歩を踏み出すことで「今」から抜け出せる。
これを願っている人はかなり多いはず、そんな人に見て欲しい。
途中、画面を直視するのがつらくてついつい目を背けるシーンもありました。それをアイドルだった草薙剛氏が演じたことに衝撃を受け、この役を演じる為にジャニーズ事務所を離れる必要があったのでは?と思えるほど。
その草薙剛氏に匹敵するほどの存在感を放っていたのが、バレエダンサーを目指す一果役の「服部樹咲ちゃん」。
もともと2017・2018年 ユースアメリカグランプリ日本ファイナル進出と、ずば抜けた才能の持ち主です。
オーデションでも多くのバレエ経験者が参加する中、満場一致で即決だったというのも納得する透明感あふれるバレエシーン。決してスポットを浴びない人たちの中で一筋の光。
光と影まさに、彼女は光。彼女のバレエ無しにはこの映画は成立しなかったでしょう。
あれだけのバレエを吹き替えなく踊り、しかもあの手足の長さ、頭の小ささは日本映画界の宝です。
ああ、彼女を主役にしたバレエ映画を作って欲しい!いいえ、彼女にはバレエダンサーの道も続けて欲しい!
私も一瞬にして彼女の虜になりました。